登山に必要な装備はたくさんあって、とくにこれから登山をする方や登山をはじめたばかりの方にとっては、一体、山に何を持っていけばよいのか判断に迷うことも多いのではないでしょうか。
本稿では、山登りの三点セットをはじめ、基本となる装備23点とそのポイントを解説するとともに、備忘録としても活用できることを目的にしています。
三種の神器と三点セット
山登りの三種の神器と言われているのがザック・靴・雨具であって、これらは購入する時に特に重視するポイントになります。
一方、山登りの三点セットと言うのは雨具・水筒・ヘッドランプのことで、こちらは山行準備のとき忘れ物をチェックするポイントになります。街の外出時に、鍵は持っ たか財布は時計は、と呪文のように唱えるのと一緒だと考えていただければその重要性を直感的に理解できるのではないかと思います。
装備の優先順位
登山装備を挙げると後述のようになりますが、これを全て持って行くのでは無く、その日の山行形態に合わせて選択する必要があります。
持っていくべき装備に関して、特に初心者は以下の優先順位を意識しましょう。
- 絶対必要な物
- 他で代用できる物
- あっても良いが無くても我慢できる物
これらの区別が出来ないと、たくさん持ち過ぎ てバテて辛い思いをすることになります。特に、中高年者は軽量化を優先したほうがよいでしょう。
装備には自身の名前を
購入したら名前を書いておくか自分のものだとわかるようにしておきましょう。登山用品は品揃えが少ないので同じ銘柄の物を他人も持っています。
特にトラブルになるのが山小屋泊の登山靴で、名前があっても危ない。朝の出発間際は焦っていることもあって、自分の靴と思い込んだら確認しないで履いて行く人がいます。人間の思い込みは恐ろしいので、靴箱に入れる際はバンダナを付ける等して、目印で防護しましょう。
基本装備23点
装備には個人装備と共同装備があり、共同装備はチームとして幾つかあれば済むので、分担して背負って行けばよいものです。
(1)個人装備
ザック(リュック)
研究し尽されていて、メーカーによる良し悪しの違いはほとんどありません。
サイズがたくさんあるので自分の山行形態に合わせて購入するようにしましょう。
かさばって重くなるから大が小を兼ねるという考え方はなく、登山を長く続ける人は数個のザックを持つことになります。
サイズの目安として、
- 日帰り山行は小型(20~30L)
- 山小屋泊 も小型(30~40L)
- テント泊は中型(40~50L)
- テントの長期縦走は大型(60 ~80L)
と考えます。雪山テント泊の場合は 80Lでないと苦労します。
水筒
1Lくらいの軽い水筒が良いと思います。
これで不足ならスポーツドリンク等で補います。また、保温ポット500mlがあれば熱い湯が飲めます。
ヘッドランプ
山では予定外で暗くなることがあるから必携です。発光ダイオード(LED)が、かつての短所をどんどん改良して現在主流になっています。LEDは球切れしにくいのも嬉しい。
地図
磁石(コンパス)・高度計と一体で使います
カメラ
ラジオと同じで軽量化と天秤にかけて携行するかどうか考えましょう
健康保険証
以前は家族で一枚の証書だったからコピーしてもっていきましたが、今は個人毎なのでそのまま持っていきましょう。
ビニール袋
濡れた物を入れたり、ゴミを入れたりの予備として持って行きます
ナイフ
小型で軽量なナイフは何かと便利です
ストック
次に一つの考え方を書きますので、各自で考えて購入しましょう。
[筆者私見] ストックはすがって歩く物ではなく、使いこなすには年季が必要です。バランス保持の助けになり、使い慣れると有難い物だが、慣れないうちは短所の方が多いと思います。
登山を始めて 1 年間くらいはストックの使用を控えた方が良さそうです。
歩き方を正しく覚える前にストックを使うと、ストックに頼る歩き方になってしまって基本が身に付きません。また、正しい歩き方が身に付いていない内にストックに頼り過ぎると、下山時に突き損って大事故になる恐れもあります。
ストックの短所は
- 重い
- 邪魔
- 手が塞がってしまう
- 忘れ物になる
といった点があげられます。
行動食
別エントリーで紹介予定
非常食
別エントリー紹介予定
水分
別エントリー紹介予定
薬品
各種内服薬、鎮痛スプレー等
救急用品
使い捨てカイロ・貼る包帯(皮膚保護剤)・携帯用応急ギプス等。
レスキューシート
軽くてかさばらない非常用のシ-トで、身を守る為に山行時必携。
ロールペーパー
トイレットペ-パ-のこと。ティッシュと違って水に溶け易いからトイレに使っても環境に優しい。自炊で水が乏しい時はコッフェルを洗う代わりにロールペーパーで拭きとる。パッキング時に納まりが悪いので、芯を抜いてビニ-ル袋に入れるのがベター。
コンロ
ガスボンベ・コッフェル・ポリタンク・食器類、と共に自炊で使います。
シュラフ
寝袋のこと。シュラフカバ-・エア-マット・テントマット、と共にテント泊で使います。
非常装備
ライタ-・メタ・新聞紙。非常の際に火を起こせるのとそうでないのでは大きく違います。
(2)共同装備
ロープ
緊急時に備えてチ-ムで 1 本~2 本持って行く。2000mを超える中級以上の山岳では 8mm・30m。日帰り低山では 7mm20mが適当。
使い方を知らないと無用の長物なので講習会等で習っておこう。
ツェルト
やはり緊急時用にチ-ムで 1 組は必携。超簡易テントと言う人もいるがテントより張り方が難しい。使い方を習っておかないと役に立たないかも知れない。
非常装備
暖をとる為の小型ガスボンベセット。
テント
宿泊人数に応じてサイズが違う。改良が進んでいろんなタイプがあるから、しっかり研究してから購入した方が良いです。
最後に
いかがでしたか。山に持っていける荷物には限りがあるため、その山行に必要十分な装備を常に考えて選択する必要があります。本稿が、その一助になれば幸いです。
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JMIA登山インストラクター監修による安心登山に関する情報発信をしていきたいと思います。